残業ゼロでも残業代を支払う制度を導入。制度導入後、業績は4年間増収増益。


Date : 2015/07/03|Update :
Category : 働き方
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労務環境が厳しすぎる企業に未来はない

様々な業界で人材不足が顕著になってきています。その一方で社員の長時間労働をどのように削減していくかということも問題になってきています。

そのような中で、残業ゼロでも残業代を支払うという企業が現れました。

ITシステム開発大手のSCSKは、社員7,000人でその中にIT技術者が6,000人います。

かつては多くの従業員が長時間労働を強いられていました。昼食も15分から20分で食べて、その後は睡眠。中には寝袋で会社に泊まる社員もいたそうです。

さらにシステムのトラブル処理で、土日も出勤したりすることもあったそうです。

背景には、ここ数年のIT技術者の不足があります。このようなIT技術者の働き方を改革してきたのが、親会社の住友商事から当時社長に就任した中井戸信英会長です。

中井戸会長がSCSKに就任した頃は、ブラック企業と言われるくらい、労務環境が厳しかったと言います。

そのような状況を目の当たりにして、これでは会社の未来はないと感じたそうです。

削減した残業代をボーナスとして支給

そこで中井戸会長は、長時間労働である残業の徹底削減と共に、賃金制度の変更を進めました。

新たな仕組みとして、減らした分の残業代をボーナスで支給する仕組みを作りました。これは残業代が減ることで給料減ってしまうという、社員の不安を解消することができました。

中井戸会長は、経営者の覚悟、決断が必要であるとお話されています。残業代の削減で生み出した収益はすべて従業員に還元したそうです。

社員自らが労働時間短縮のためのアイデアを考える

このような仕組みを打ち出したことで、社員たちが労働時間短縮のために色々な考えを打ち出してきました。

例えば、残業を削減する案として、以前はダラダラと行っていた会議を、立って行うことで会議時間の短縮をすることができました。

そして、自分の退社時刻をカードで告知するようにしました。これは、きちんと退社時間を周囲に告知することで、他の人よりも早く帰るという罪悪感を減らすことに成功しました。

このような取り組みを行うことで、IT技術者の残業時間は、1ヶ月で50~60時間あったものが、2014年度は18時間まで削減することができました。

中井戸会長は、残業問題というのは経営者が「残業削減しろ」と言うような類のものではないと話します。

社員自らが工夫して残業を減らす環境作りをしなければならないということです。

確かに経営者は現場の中枢にいることは少ないので、どうすれば残業を減らすことができるかという具体案は持っていないのです。

残業しない方が給料が上がる仕組み

さらに中井戸会長は、残業をしない従業員にも残業代を支払う制度を作りました。いわゆる残業代の固定支給です。

例としては、入社7年以上で34時間。一方、若手の入社7年未満では20時間の残業代を支給します。残業20時間分で約6万円の給料が加算されます。

残業を減らす事で、社員は得をするという制度です。

健康で充実した家庭生活があってこそ仕事でも成果を出せると、中井戸会長は考えています。残業削減を掲げてから、業績は4年間増収増益で、増配も毎年実現しています。

従業員も定時で帰ることができ、家族との会話も増え、さらに体調も良くなってきたそうです。その結果、仕事にも100%の力を出せるようになったと言います。

【参照】

ワールドビジネスサテライト【テレビ東京】(2015年6月29日)

SCSK

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